京都弁証法認識論研究会

トップページ    研究会の紹介    研究会の記録    文献一覧    掲示板    リンク 


 ここでは弁証法や認識論を学ぶ上で必要な文献を紹介します。

 

必読文献の紹介

●三浦つとむ『弁証法はどういう科学か』(講談社現代新書)

 弁証法の基本書です。エンゲルスによって三つの法則(対立物の相互浸透、量質転化、否定の否定)に定式化された弁証法を、しっかりと基礎から学べるように、教科書レベルで仕上げた歴史的な名著です。

 著者は、この弁証法を武器として、芸術論や言語学(言語過程説の展開)の分野で大きな成果をあげました。詳細については、こちらをご覧下さい。

 「わたしも自分の社会科学の研究にこの弁証法を使ってみて、それがどんなにすばらしい武器であるかを実感することができました。これまでの学者が越えられなかった理論の壁を、弁証法を使って簡単に打ち破り、学問的に未知の分野に深く切りこんでいくことができたからこそ、多くの人たちにこのすばらしい武器のことを知ってもらいたい、これを使って成果をあげてほしいと願って、この本を書くことにしたのです」(まえがき)

 

●本田克也ほか『看護のための「いのちの歴史」の物語』(現代社)

 自然の歴史、すなわち宇宙と太陽系の歴史をふまえたうえでの地球と生命の歴史を、ひとつの大きな流れとして、物語のように描ききった画期的な書です。

 35億年にもおよぶ生命の進化の歴史を、あたかも一個の生命体の成長過程であるかのように描いています。本書のポイントは、生命の歴史を地球の歴史とあくまでも一体のものとして把握していることです。このように把握しなければ、生命の歴史に一本の筋が通らないのです。この観点から、本書では、生命体や海の起源についての通説の誤りがあきらかにされています。

 いうまでもなく、人間は生命の歴史をせおった存在です。人間にかかわるあらゆる問題を解くカギが本書の中にあります。

 

●中学校の社会(歴史と公民)、理科の教科書

 世界全体をまるごととらえる視点をつくるための教材として、中学校の教科書に勝るものはありません。内容を暗記するためではなく、全体のイメージをつくるため、対象を論理的に把握する実力をつけるために学ぶのです。目標は、たとえば、日本の歴史の大きな流れについて、中学生にもわかるように一時間でしゃべれる実力をつけることです。

 

●海保静子『育児の認識学』(現代社)

 認識論の基本書です。「認識とは対象の頭脳における反映であり像である」ということを、図を交えながら徹底的にあきらかにした画期的な書です。

 人間の認識の原点=赤ちゃんのうぶ声を出発点に、人間のアタマとココロのはたらきがどうつくられていくのかという問題が、像の問題として、過程的・構造的に解明されています。なお、著者は科学的保育論の構築を志した保育士でした。 

 

参考書

 以下は弁証法を学ぶ際の参考書とその学びの順番です。

  1. 河合栄次郎『学生に与う』(現代教養文庫)
  2. 出隆『哲学以前』(講談社学術文庫)
  3. 三浦つとむ『認識と言語の理論?』第一章と第二章(勁草書房) 
  4. 滝村隆一「二重権力論」「天皇制研究の視角」(イザラ書房『革命とコンミューン』所収)
  5. エンゲルス『フォイエルバッハ論』(岩波文庫・国民文庫)
  6. 海保静子『育児の認識学―こどものアタマとココロのはたらきをみつめて』(現代社)
  7. 瀬江千史『医学の復権―医学体系の科学化へ向けて』(現代社)
  8. 滝村隆一『マルクス主義国家論』(三一書房)   

                 以上、南郷継正『武道哲学 著作・講義全集 第二巻』(現代社、2003年)より

  1. 三浦つとむ「マルクス主義の基礎」(勁草書房『レーニン批判の時代』所収)
  2. 三浦つとむ『芸術とはどういうものか』(至誠堂)
  3. 三浦つとむ『認識と言語の理論?』(勁草書房)
  4. 三浦つとむ『マルクス主義の復元』(勁草書房)
  5. 滝村隆一『革命とコンミューン』(イザラ書房)
  6. 滝村隆一『マルクス主義国家論』(三一書房)
  7. エンゲルス『空想から科学へ』(国民文庫)
  8. エンゲルス『フォイエルバッハ論』(国民文庫)

                 以上、南郷継正『弁証法・認識論への道』(三一書房、1994年)より

 

その他

 上述の中で取り上げられていない人物の著作です。

  • 薄井坦子『科学的看護論』 (日本看護協会出版会)
  • 薄井坦子『看護学原論 講義』(現代社)
  • 庄司和晃『認識の三段階連関理論』(国土社)
  • 庄司和晃『仮説実験授業と認識の理論』(季節社)

 

雑誌

  • 日本弁証法論理学研究会編『学城』(現代社)
  • 現代社編『季刊・綜合看護』(現代社)

 

 認識論の教材

  • モンゴメリー『赤毛のアン』(新潮社)
  • 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)
  • シング『オオカミに育てられた子』(福村出版)
  • アーサー・ペン監督 映画『奇跡の人』モノクロ版
  • シュヴィング『精神病者の魂への道』(みすず書房)
  • フロイト『改訳 精神分析入門』(角川文庫)
  • 美内すずえ『ガラスの仮面』(白泉社)

                 以上、南郷継正『弁証法・認識論への道』p.53より

  • 藤田和子、氷村冴子(原作)『ライジング!』(小学館)

                 南郷継正『"夢"講義(1)』p.54において、上述の7つに追加する形で挙げられている。

 

 

inserted by FC2 system